親子の関わり方

友達トラブルの背景にある「自己主張と協調」の発達

kokomaru
女性
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うちの子、友達とすぐケンカになってしまって……。自己主張が強すぎるんでしょうか。

ココフク
ココフク

「強い・弱いの一言では片づきません。『自己主張』と『協調』には発達の段階があるので、そこから一緒に見ていきましょう

「友達とすぐぶつかる」「言い返せず我慢ばかりしている」「気づけばいつもトラブルの真ん中にいる」。
子どもの友達関係を見ていると、親としてハラハラする場面は少なくありません。

そんなとき、つい「もっとはっきり言いなさい」「わがままを言わないの」と、 主張の強さ・弱さだけで評価してしまいがちです。しかし発達心理学の視点から見ると、 子どもが「自分の気持ちを伝える力」と「相手と折り合う力」は、別々ではなく セットで少しずつ育っていくものだと分かっています。

この記事では、友達トラブルの背景にある「自己主張と協調」の発達段階と、 家庭でできるコーチング、学校との連携のポイントを整理していきます。

この記事でわかること

  • 子どもの自己主張と協調がどんな段階を経て育つのかがわかる
  • 友達トラブルにつながりやすい典型的なつまずきパターンがわかる
  • 親ができるコーチングのポイント(整理・共感・ロールプレイ)がわかる
  • 学校と連携するときの伝え方と押さえておきたいポイントがわかる
  • 主張と協調を「両輪」として育てるうえで、親が担うべき役割がわかる

🍀 自己主張と協調の発達段階

1. まずは「自分の欲求」を出す力が育つ

幼児〜小学校低学年ごろは、まず自分の欲求や感情をそのまま表現する力が育っていきます。
「貸して」「やめて」「ぼくも入れて」と言えること自体、発達上は大切な一歩です。 ここが弱いと、友達に合わせすぎてつらくなったり、陰で不満をため込むパターンが増えてしまいます。

2. 相手の視点をとる力は段階的に育つ

一方で、相手の気持ちや考えを想像する力は、すぐに大人並みにはなりません。 「自分がこう思うから、相手も同じはず」「自分は悪くないから、全部向こうが悪い」といった 単純な理解からスタートし、だんだんと「相手には相手の事情がある」と考えられるようになります。

ですから、小中学生ぐらいで「正論を強く言いすぎる」「自分の損ばかり数えてしまう」などの姿が見られても、 それだけで人格の問題と決めつける必要はありません。まだ発達途中の段階と捉えると、 関わり方のヒントが見えてきます。

3. ルール理解から「内面化」までは時間がかかる

学校や家庭で、子どもたちは多くのルールを教わります。「順番を守る」「人の悪口を言わない」 「相手のイヤを尊重する」などです。頭では理解していても、そのときの感情が強くなると ルールが飛んでしまう──そんな経験は大人にもありますよね。

ルールが「分かる」だけでなく、「感情が揺れたときにも、自分でブレーキをかけて選び直せる」状態になるには、 どうしても時間と経験が必要です。ここを「分かっているのに、わざとやっている」とだけ見ると、 叱責が増え、子どもは自己評価を下げてしまいます。

女性
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自己主張が強い・弱いというより、『育ち途中のバランス』なんですね。

ココフク
ココフク

そうなんです。まずは『欲求を出せているか』『相手の視点を少しずつ持てているか』という発達の筋道から見てあげると、関わり方が変わってきます。

🍀 友達トラブルでよく見られるつまずきパターン

1. 「正しさ」で押し切ってしまう

真面目で責任感の強い子ほど、「ルールに照らせば自分が正しい」と感じると、 つい相手をねじ伏せるような主張になりがちです。
「だって先生がこう言った」「それはズルいじゃん」と、内容だけ見ればもっともでも、 言い方が強すぎて関係がこじれてしまうことがあります。

2. 嫌と言えずに我慢し、限界で爆発する

逆に、争いを避けたいタイプの子は、「嫌」と言えずに頑張り続け、限界までため込んでから 突然の絶交宣言や大きな泣き崩れとして出てくることがあります。
周囲からは「急に怒った」「わがままに見える」と誤解されやすいですが、 本人の中では長い時間の我慢が積み重なっていることが多いのです。

3. 第三者を巻き込んで派閥化する

直接話し合うのが難しいとき、友達や親、先生を巻き込んで 「どっちが悪いか」を決めようとするパターンもよく見られます。
一時的には気持ちが楽になっても、噂や陰口が広がり、クラス内の派閥化につながることもあります。

これは「自分一人では整理しきれない」「どう動けばいいか分からない」というサインでもあります。 ここに大人がどう関わるかで、その後の人間関係の学び方が大きく変わります。

女性
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うちの子も、ガマンしすぎてから一気に爆発するタイプかもしれません……。

ココフク
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どのパターンも『ダメな性格』ではなく、発達段階でよく起こるつまずきです。ここから一緒に整えていきましょう。

🍀 親にできるコーチングのポイント

1. 事実・感情・要望を分けて整理する

まずは、子どもが話してくれた内容を「事実」「感情」「要望」に分けて一緒に整理してみましょう。

  • 事実:いつ・どこで・誰が・何をしたか
  • 感情:そのときどう感じたか(悲しい・悔しい・腹が立つ など)
  • 要望:これからどうしてほしいか、どうしたいか

この3つが混ざったままだと、「あの子が全部悪い」「もう学校に行きたくない」と 感情だけがふくらんでしまいます。親が一緒に言葉を整理してあげることで、 子どもは自分の状況を俯瞰して見直すことができるようになっていきます。

2. 相手の立場を一緒に想像してみる

次のステップとして、「もし相手の子の立場だったら、どう感じるかな?」と 一緒に想像する時間を持ってみましょう。ここで大事なのは、 「あなたが悪いでしょ」と責めるためではなく、視点を増やす練習として扱うことです。

たとえば、
「相手はからかっているつもりはなくて、ふざけているだけだったかもしれないね」
「でも、あなたがいやだって伝えたなら、その気持ちは大事にしていいよ」
というように、子どもの味方でありながら、相手側のストーリーもそっと並べてみます。

3. 伝え方のリハーサル(ロールプレイ)をする

最後に、「じゃあ、次に同じようなことがあったら、どう伝えてみようか?」と 具体的な言い方を一緒に練習してみます。

例としては、

  • 「さっきのこと、わたしはちょっと傷ついたよ。」
  • 「それをされると、ゲームに集中できなくなるんだ。」
  • 「次からはこうしてくれると助かるな。」

親が相手役になってロールプレイをすると、子どもは安心して試すことができます。 うまく言えなくてもOK。「今の言い方、すごく伝わりやすかったよ」と 良かった点をフィードバックすることで、「また練習してみよう」という意欲につながります。

女性
女性

つい『どっちが悪いか』を知りたくなっていましたが、整理と練習の場にしてあげればいいんですね。

ココフク
ココフク

はい。親が“判決”を出す人ではなく、“言葉を一緒に探すコーチ”になると、子どもは自分で動く力を育てやすくなります。

🍀 学校との連携で押さえたいこと

1. 状況を共有する(記録・経緯・希望)

友達トラブルが続くときは、家庭だけで抱え込まず、学校と情報を共有することも大切です。
「いつ・どんな場面で・どんなやり取りがあったのか」を簡単にメモしておくと、 先生側も状況を把握しやすくなります。

そのうえで、「こんな力を育てたい」「まずはここを見守ってほしい」といった 家庭としての希望も、できる範囲で伝えてみましょう。

2. 場面設定への配慮を相談する

子どもだけで解決するには負担が大きい場合、先生が同席する話し合いの場を 調整してもらうのも一つの方法です。
「休み時間ではなく授業後に」「少人数の落ち着いた場所で」など、 子どもが話しやすい時間帯や場所について相談してみてください。

3. 合意形成後のフォローを一緒に考える

話し合いの場がうまくいっても、その後のクラス生活の中で 再びモヤモヤがたまることはあります。
「何かあったらこの先生にまず相談しよう」「週に一度だけ様子を聞かせてください」など、 フォローの窓口や頻度をあらかじめ決めておくと、子どもも親も安心しやすくなります。

女性
女性

学校に相談するのは『クレーム』ではなく、一緒に子どもの成長を支えるためなんですね。

ココフク
ココフク

その通りです。家庭と学校が連携できるほど、子どもは安心してチャレンジしやすくなります。

🍀 まとめ:主張と協調は「両輪」として育てていく

最後に、この記事のポイントを整理します。

  • 自己主張と協調は「どちらか」ではなく、発達とともにバランスを取っていく両輪である。
  • 友達トラブルは、「正しさで押し切る」「我慢しすぎて爆発する」「第三者を巻き込む」など、 発達段階でよく起こるつまずき方として理解できる。
  • 親は、事実・感情・要望を整理し、相手の立場も一緒に想像しながら、 伝え方の練習をサポートするコーチ役になれる。
  • 家庭だけで抱え込まず、学校と状況や希望を共有し、場面設定やフォローを一緒に考えることで、 子どもの試行錯誤を支えやすくなる。

ABOUT ME
kokomaru
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雑食系学習者
専門にとらわれず、興味のタネを見つけては掘り下げる「雑食系学習者」。 文系・理系の垣根を越え、心理学・哲学・教育・社会理論などをつまみ食いしながら、「人間を理解すること」をテーマに独自の視点で探究を続けています。

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