共感に関する考察
こんにちは、kokomaruです
今回は、共感に関して、お話ししたいと思います。
共感とは?「わかるよ」のその先にある力
「つらかったんだね」
「それは大変だったね」
そんな言葉をかけられて、ふっと心が軽くなったことはありませんか?
それがまさに、“共感”の力です。
今回は、「共感とは何か?」を改めて見つめながら、
それがなぜ人間関係を豊かにし、信頼を深めるのか、そして心理学者カール・ロジャースの考え方も交えてご紹介します。
共感とは、「感じ取って、一緒に感じること」
共感とは、**相手の感情を想像し、自分の中にもその感情を“感じてみようとすること”**です。
単なる理解や同意ではありません。
たとえば、誰かが悲しんでいるとき――
「どうして悲しいのか」を分析するのではなく、
「もし自分がその立場だったら…」と、心で寄り添う姿勢こそが共感です。
カール・ロジャースの考える「共感」
共感について深く語った人物の一人が、来談者中心療法の創始者 カール・ロジャースです。
彼は共感を、こう定義しました:
「相手の内的な枠組みを、まるで自分自身のものであるかのように感じ取りつつも、その“まるで”を忘れないようにすること」
つまり、相手の立場に立ってその人の世界を理解しようとしながらも、自分と相手が“違う存在”であることを見失わないこと。
これがロジャースの言う「本物の共感(accurate empathy)」です。
彼はまた、共感を真の心理的成長を支える関係の土台であるとも語っています。
「共感的に理解されている」と感じたとき、人は安心し、自分を探求する勇気を持てるようになるのです。
共感と同情の違い
共感と似た言葉に「同情」がありますが、意味は大きく異なります。
種類 | 意味 | 立ち位置 |
---|---|---|
共感 | 相手の感情を感じ取り、共有すること | 横に並ぶ |
同情 | 相手をかわいそうに思うこと | 上から見下ろすことがある |
共感は、「わかるよ」「それはつらかったね」と気持ちに寄り添いながら、相手の視点で感じようとすること。
同情は「大変だったね」と、外から眺めている状態にとどまることがあります。
ロジャースは、「共感とは相手の内面に深く入り込むこと」であり、単なる表面的な理解ではないと強調しました。
なぜ共感が大切なのか?
私たちは日々、多くの「言葉」を使ってコミュニケーションしています。
でも、言葉の裏にある“気持ち”に気づいてもらえたとき、初めて人は安心するのです。
共感は、相手にこう伝える力があります。
「あなたの気持ちを、ちゃんと感じていますよ。」
それは、安心・信頼・つながり――
すべての土台になる、人と人との“あたたかい橋”なのです。
共感するために大切な3つのこと
1. 評価をしない
「それは間違ってるよ」「だからうまくいかなかったんじゃない?」
そんな評価は、共感の芽をすぐに摘んでしまいます。
共感は“正しさ”を探すのではなく、“気持ち”を受け止めること。
まずは「そう感じたんだね」と、そのまま認めてあげましょう。
2. 自分の話にすり替えない
よくあるのが、「私もね、同じようなことがあってさ…」と自分の話に持っていってしまうパターン。
悪気はなくても、**相手は“置いてけぼり”**になってしまうことがあります。
共感の場では、自分の体験を語る前に、まず相手の気持ちにしっかりと滞在することが大切です。
3. “伝える”勇気を持つ
「それはつらかったね」「悔しかったんだね」
たった一言でも、声に出してあげることが、相手の心を癒すことがあります。
共感は黙って感じるだけでなく、言葉にして伝える勇気も含まれています。
共感は「愛」の表現でもある
共感とは、特別なスキルではありません。
それは、相手の存在にまっすぐ向き合おうとする愛の形です。
上手に言葉が出てこなくても大丈夫。
「あなたの気持ちを、大切にしたい」と思って心を傾ける――
その姿勢こそが、何よりの共感になるのです。
まとめ:共感が、人をつなぐ
共感とは、相手の感情に寄り添い、自分の心もそこに少しだけ置いてみること。
それができたとき、相手は「わかってもらえた」と感じ、心が少しずつ開いていきます。
人間関係の摩擦を和らげ、信頼を深めるために――
共感は、私たちにできる最もシンプルで、最も深いコミュニケーションです。