子どもが何回言っても聞かない…つい怒鳴ってしまう親子の流れを整理する
何回言っても、子どもが動いてくれない。
最初は優しく言っていたはずなのに、だんだん声が強くなる。
最後には「いい加減にして!」と怒鳴ってしまう。
そして、子どもの泣き顔を見たあとに、こんな気持ちになることがあります。
「また怒鳴ってしまった」
「自分は親としてダメなのかな」
「本当は、もっと優しく関わりたいのに」
未就学児との毎日は、きれいごとだけでは進みません。
朝の支度、食事、お風呂、寝る前、片づけ、外出先での切り替え。
親には「今、動いてほしい」という場面が何度もあります。
それなのに、子どもは遊び続ける。
聞いていないように見える。
わざと困らせているように見える。
そんなとき、つい声が強くなってしまうのは、親の愛情が足りないからとは限りません。
子どもを大切に思っているからこそ、焦りや不安が大きくなることもあります。
ただし、大きな声や強い言葉が続く状態を、そのままにしてよいわけでもありません。
親を責めるためではなく、親子の苦しさを減らすために、怒鳴る前の流れを見直していくことが大切です。
この記事では、子どもが何回言っても聞かないときに、親子のあいだでどのような流れが起きやすいのかを整理します。
子どもを悪者にするためでも、親を責めるためでもありません。
まずは、親子のやり取りを少し距離を置いて見てみましょう。
この記事でわかること
- 未就学児が「何回言っても聞かない」ように見える理由
- 子どもが親をなめているとは言い切れない理由
- 親がつい怒鳴ってしまう流れが生まれる仕組み
- 怒鳴ったあとに自分を責めすぎないための見方
- 苦しいときに一人で抱え込まない考え方


🍀 子どもが何回言っても聞かないのは、親をなめているから?
子どもが何度言っても動かないとき、親の側にはいろいろな思いが浮かびます。
「どうして聞いてくれないの?」
「私のことを軽く見ているの?」
「このままだと、わがままな子になるのでは?」
そう感じるのは自然です。
何度も同じことを言わされると、親の余裕は削られていきます。
ただ、未就学児の場合、「言うことを聞かない」ように見えても、単純に親をなめているとは言い切れません。
子どもはまだ切り替える力を育てている途中
子どもはまだ、いろいろな力が育っている途中です。
たとえば、
- 「あと5分で出発する」
- 「これが終わったらお風呂に入る」
- 「今は遊びたいけど、次の行動に移る」
こうした見通しを持つ力や、気持ちを切り替える力は、少しずつ育っていきます。
大人にとっては当たり前に見える行動でも、子どもにとっては簡単ではないことがあります。
親が「お風呂に入ろう」と言う。
子どもは「まだ遊びたい」と思っている。
その瞬間、子どもの中では「お風呂に入るべき」という理解よりも、「今これを続けたい」という気持ちの方が強く前に出ることがあります。
これは、親を困らせるためとは限りません。
まだ、自分の気持ちを止めたり、別の行動に切り替えたりする力が育っている途中なのです。
理解することと、何も言わないことは違う
ここで大切なのは、「だから親は何も言わなくていい」という話ではないことです。
朝は出発しなければいけません。
夜は寝る準備をしなければいけません。
危ないことは止めなければいけません。
子どもの発達途中の力を理解することと、親が必要なことを伝えないことは別です。
ただ、子どもがすぐに動けない背景を知っておくと、親の中にある「わざと困らせているのでは」という見方が少し緩むことがあります。
その見方が少し変わるだけでも、怒鳴る前の流れを見直すきっかけになります。


🍀 「怒鳴るしかない流れ」は、親子のあいだで作られていく
親が怒鳴ってしまう場面には、よくある流れがあります。
最初は普通の声かけから始まる
最初は、親も普通に声をかけます。
「そろそろお風呂に入ろうね」
「片づけようね」
「もう出かける時間だよ」
でも、子どもは動かない。
親はもう一度言います。
「聞いてる?」
「早くしてね」
「もう時間だよ」
それでも動かない。
すると、親の声が少しずつ強くなります。
「何回言ったらわかるの?」
「いい加減にして!」
「早くしなさい!」
そして、大きな声を出したあとに、子どもがようやく動くことがあります。
この経験が何度も重なると、親の中に、
「結局、強く言わないと動かない」
という感覚が残りやすくなります。
子どもも「強く言われるまで切り替えにくい」流れに入りやすい
一方で、子どもの側も、結果として、
- 強く言われるまでは切り替えにくい
- 本当に止める場面が分かりにくい
- 親の声が強くなってから動く
という流れに入りやすくなることがあります。
これは、親が悪い、子どもが悪い、という話ではありません。
親子のやり取りが、いつの間にかそういう形に固定されてしまうことがある、ということです。
だからこそ大切なのは、「怒鳴ったあとに反省すること」だけではありません。
怒鳴る前のどこで流れを変えられるか。
そこを見ることが大切です。


🍀 怒鳴ってしまう親が「ダメな親」とは限らない
子どもに怒鳴ってしまったあと、親は自分を責めやすくなります。
「またやってしまった」
「こんな言い方をするつもりじゃなかった」
「自分は親に向いていないのでは」
そう感じる人もいるかもしれません。
けれど、怒鳴ってしまったという事実だけで、親としての価値が決まるわけではありません。
大切なのは、自分を責め続けることではなく、何がその流れを作っていたのかを見直すことです。
親の余裕が削られる場面は多い
親が声を荒げてしまう背景には、状況の負荷が重なっていることがあります。
- 朝の出発時間が迫っている
- 仕事や家事で疲れている
- 寝不足が続いている
- 周囲に頼りにくい
- 「ちゃんと育てなければ」という不安がある
こうした状態で、何度言っても子どもが動かない。
すると、親の余裕はどんどん削られていきます。
もちろん、だからといって、怒鳴ることや強い言葉を正当化する必要はありません。
ただ、親の性格だけの問題にしてしまうと、実際に変えられる部分が見えにくくなります。
見直せるのは、親の人格ではなく、親子のやり取りの流れです。
強い言葉が続くときは、一人で抱え込まない
なお、ここでいう「流れを見直す」とは、親が一人で完璧に解決しなければならないという意味ではありません。
大きな声や強い言葉が続いていると感じるときは、親だけで抱え込まないことも大切です。
「このままだと手が出そうで怖い」
「強い言葉が止まらない」
「子どもと二人でいるのがつらい」
そう感じる日があるなら、それは親失格という意味ではありません。
その場を少し離れる、別の大人に代わってもらう、園や家族に話す、自治体の子育て相談につながるなど、親子を守るための選択肢を増やしていきましょう。
子育ては、親だけで抱え込むものではありません。
助けを求めることは、親子を守るための選択肢の一つです。
🍀 怒鳴る前の流れに気づくことから始める
子どもが何回言っても聞かないとき、親はとても疲れます。
優しく言っても動かない。
何度も言っているうちに、声が強くなる。
最後には怒鳴ってしまい、あとで自己嫌悪になる。
その流れに入ってしまう親は、少なくありません。
でも、そこで「自分はダメな親だ」と決めつける必要はありません。
まず見たいのは、親の人格ではなく、親子のやり取りの流れです。
子どもはまだ、見通しを持つ力や気持ちを切り替える力を育てている途中です。
そして親も、時間や疲れ、不安が重なる中で、余裕を失いやすくなります。
だからこそ、怒鳴ったあとに自分を責め続けるだけではなく、怒鳴る前に何が起きているのかを見ていくことが大切です。
ここまで、子どもが何回言っても聞かないように見える背景と、親子のあいだで「怒鳴るしかない流れ」が作られやすいことを整理しました。
ただ、流れが見えてきても、現実には「では、どう声をかければいいのか」が残ります。
次の記事では、子どもの願いを聞きながら、親の願いも消さないための「小さな相談」の作り方を、具体的な声かけと一緒に整理していきます。
次の記事:子どもの願いも親の願いも大切にする「小さな相談」の始め方
参照元・参考資料
この記事では、子育て中の親が一人で抱え込まないこと、体罰や強い言葉に頼らない関わり方、安全に関わる場面での相談先について、以下の資料を参考にしています。
- こども家庭庁「児童虐待防止対策」
- こども家庭庁「体罰等によらない子育てのために~みんなで育児を支える社会に~」
- こども家庭庁「親子のための相談LINE」について
- こども家庭庁「児童相談所虐待対応ダイヤル『189』について」
- WordPress.org Documentation「Details block」
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