自分が何を大切にしたいか分からないときは|仕事の経験から価値観を整理する
毎日の仕事はこなしている。
でも、「これからどう働きたい?」と聞かれると、言葉に詰まってしまう。
周りの人が資格や昇進を目指していると、自分も何か始めなければ、と焦ることがあるかもしれません。
そんなときは、大きな将来像を決める前に、最近の仕事で心が動いた場面を振り返ってみましょう。
「少しうれしかったこと」「引っかかったこと」の中に、自分が大切にしたいことを考える手がかりがあるかもしれません。
この記事では、仕事の経験を整理し、今の自分に合う小さな行動を考えるためのワークを紹介します。
この記事でわかること
- 日常の仕事から、大切にしたいことを考える視点
- 経験・気持ち・大切にしたいことを整理する短いワーク
- 理想と現実の条件を踏まえて、小さく試す方法
🍀 「大切にしたいこと」は、身近な経験から考えられる
立派な言葉から始めなくてもよい
「あなたの価値観は何ですか」と聞かれると、難しく感じるかもしれません。
この記事では、価値観を「日々の選択で大切にしたいこと」として考えます。
たとえば、分からないことをそのままにせず学びたい。相手が困っているときは、話を聴きたい。仕事のあとに、家族や自分のための時間を持ちたい。
「成長」「誠実さ」「つながり」といった言葉が浮かばなくても、具体的な場面なら思い出せることがあります。
目標と、その先で大切にしたいことを考える
「資格を取る」は、達成できたかを確かめられる目標です。
その資格を通じて、何を大切にしたいのでしょうか。
知識を深めたいのか、困っている人の役に立ちたいのか、働き方の選択肢を増やしたいのか。同じ目標でも、理由は人によって違います。
反対に、「学ぶことを大切にしたい」という思いは、資格の勉強以外にも、仕事で疑問に思ったことを調べる行動につなげられます。
🍀 最近の仕事を振り返る、短いワーク
ここからは、経験を整理するためのワークです。特定の心理検査ではなく、この記事で紹介する振り返りの一例です。性格や適職を判定するものではありません。
書けるところだけで構いません。思い出すことが負担になる場面は避けてください。
1.少しうれしかった場面を一つ選ぶ
最近の仕事で、「やってよかった」「少し充実していた」と感じた場面を思い出します。
大きな成果でなくても構いません。
たとえば、後輩から質問され、一緒に確認したあとで「分かりました」と言ってもらえた。複雑だった資料を整理し、見通しがよくなった。
次の3つを書いてみましょう。
- 起きたこと: どんな場面だったか
- 感じたこと: うれしい、安心した、面白いなど
- 大切にしたいこと: その場面の何が、自分にはよかったのか
後輩への説明なら、「人の理解を助けたい」「一緒に考えたい」という言葉が浮かぶかもしれません。
2.気になった場面も、扱える範囲で振り返る
余裕があれば、少し引っかかった場面も一つ選びます。
たとえば、十分に確認する時間がなく、急いで提出することになった。
そこから、「丁寧に仕事をしたい」「安心して確認できる時間がほしい」と気づく場合があります。
ただし、不快だった理由は一つとは限りません。仕事量や疲れ、説明不足なども考えられます。気持ちから、すぐに価値観を断定する必要はありません。
3.今の自分に近い言葉を、仮に選ぶ
振り返った内容から、近いと思う言葉を一つか二つ選びます。
- 学ぶこと
- 丁寧に取り組むこと
- 人と協力すること
- 自分で工夫すること
- 生活の安定
- 健康や休息
- 家族や友人との時間
この一覧にない言葉でも構いません。
「今はこれに近そう」と置いておき、別の経験を通じて見直していきます。
🍀 見つけた言葉を、具体的な行動にする
自分の行動として書いてみる
「人とのつながりを大切にしたい」と思っても、何をすればよいか迷うことがあります。
そんなときは、次のように行動へ置き換えてみます。
- 協力を大切にしたい → 作業を始める前に、担当と困っている点を確認する
- 学びを大切にしたい → 今週気になった疑問を、一つだけ調べる
- 休息を大切にしたい → 休憩を取りにくい理由を整理し、調整を相談する
「相手に認めてもらう」など、相手の反応によって決まる結果に加えて、自分が何をするかを考えてみましょう。
続けられそうな大きさにする
英国NHSの問題解決の案内でも、大切な領域を整理し、試す行動・必要な支援・実行する時期を具体化する方法が紹介されています。NHS「問題解決」
「毎日一時間勉強する」が難しければ、まずは金曜日に10分、仕事で分からなかったことを調べる。
時間を決めることが負担なら、次に同じ場面が来たとき、一度確認してみる形でもよいでしょう。
🍀 大切にしたいことがぶつかるとき
両方を大切にしていてもよい
新しい仕事に挑戦したい。でも、家族との時間も守りたい。
こうした迷いがあるとき、「本当に大切なのはどちらか」と急いで一つに絞らなくても構いません。
挑戦する仕事の範囲を小さくする。期間を区切る。必要な支援を相談する。両方を踏まえた選択肢を探してみます。
今の条件に合わせて、優先順位を考える
体調、家計、育児や介護などによって、今使える時間や力は変わります。
挑戦を大切にしていても、今は生活を安定させることを優先する。その選択を、成長していない証拠と考える必要はありません。
「今の条件では何ができそうか」「何が変われば選択肢が増えるか」を分けて考えてみましょう。
🍀 答えが出ないときは、条件も見直す
疲れているときは、振り返りを休む
何も思い浮かばない日もあります。
その日に、自分の将来や働き方について結論を出す必要はありません。睡眠や休息を取る、仕事の負担を相談するなど、今の状態を支えることから始めてもよいでしょう。
不調が続いたり、生活や仕事に支障が出ていたりする場合は、産業医・保健師や医療機関などに相談してください。
職場の問題は、周囲との調整も考える
丁寧に仕事をしたいのに、明らかに時間が足りない。協力したいのに、担当や責任が曖昧なままになっている。
そんなときは、自分の価値観を整理することとあわせて、期限や分担、仕事量の調整も必要かもしれません。
大切にしたいことが分かっても、自分一人で環境を変えられるとは限りません。周囲の助けを借りることも、選択肢に含めてください。
🍀 次の一週間で、一つだけ試してみる
最後に、次の3行を埋めてみましょう。
- 今、大切にしたいこと:
- そのために試す、小さな行動:
- 試せる場面と、必要な支援:
たとえば、こんな書き方です。
今、大切にしたいことは、分からないまま進めずに学ぶこと。
次に新しい作業を担当したら、始める前に疑問を一つ確認する。
自分で判断できない点は、先輩に確認する時間を相談する。
試したあとは、「できたか」だけでなく、「自分に合っていたか」「難しかった条件は何か」も振り返ってみてください。必要なら、行動の大きさや方法を変えて構いません。
考えがまとまりにくいときは、いったん立ち止まって、今の自分の状態に注意を向ける方法もあります。
今週、少し心が動いた仕事の場面はあったでしょうか。そこにあった「自分にとって大切だったこと」を、一つ書き留めるところから始めてみてください。
